懐かしの洋菓子店「エス・ワイル」物語
レトロといえば、神田あたりはまだまだ昔のお店が残っているようで、この本の中でも何軒か神田周辺の昔ながらのお店が紹介されています。例えば、この近江屋洋菓子店。
昭和レトロブームで、最近はこのお店も多くのメディアで取り上げられているように思います。学生の頃は御茶ノ水の予備校に通っていたので、その周囲をよくうろうろしていた私にとっても神田神保町は思い出深いところです。殆ど名前も忘れちゃったけど、この近江屋洋菓子店や柏水堂など、行ってないはずはないお店です。でも、あれ、もうひとつ、神保町へ行けば必ず寄っていた洋菓子のお店があったんだけど。。。どうしても名前が思い出せず、ググッてみました。そうです!「エス・ワイル」。ここもなかなかレトロな店構えでババロアがめちゃ美味しかった。社会人になってからも、この近くへ行くと必ず買って帰ってましたっけ。どうもお菓子に対する半端ないこだわり方からして、由緒ありそうな感じがしてはいました。
当時の写真。ああ、そうだった。こんな感じだったかしらね。華麗とは言い難い、その当時ならどこにでもありそうな地味なお店でした。店内は、私が買っていた頃はもっとひなびた感じだったと思います。(写真は神保町喫茶店マップからお借りしました)
ところがググッていくうちに、このお店、凄いお店だったことが分かってきました。
1927年横浜ホテルニューグランドができた当時の初代総料理長、サリー・ワイル氏の下でベーカリーシェフを務めた大谷長吉氏が開業したお店だったんです。知らなかった~。ワイル氏は日本に初めて本格フレンチを紹介したことでも有名で、弟子にはホテルオークラの総料理長を務めた小野正吉氏を始め、数々の名シェフが名を連らねている。
それこそ、日本では初めての外国人料理長の教えを受けるべく、その後の日本料理界を代表する名だたる人達がきら星のごとくワイルの下に集結したのでした。そして、師匠のニックネームを店名にしたこの「エス・ワイル」も、日本の洋菓子界を担う数々の巨星を育ててきたのでした。じゃじゃーん、ウィキに書かれているこれらの話を読んだ時は胸が高鳴りました。まるで梁山泊だ!ホント、テレビのスペシャルドラマ「エス・ワイル物語」になりそう。
左がサリー・ワイル氏。
そんな老舗洋菓子店なのですが、数年前に後楽園の近くに引っ越していたのでした。どうりで最初に神田、洋菓子店でググッても探せなかったんだ。更に規模を小さくし、こじんまりと、それでも伝統の味を守りながら、経営されていたのです。。。名物のモンブランは和栗の取れる数カ月しか作らず、800円くらいしたらしい。でもそれに見合う本物のお味だったとか。(あの頃一回でも食べておけばよかったよ~。後の祭り)ケーキの上に乗せる生クリームはケーキがお客さんに渡される直前まで絞らないという徹底ぶりだった。ところが、去年2011年夏ごろになんと
閉店とあいなったそうなんです。ああ、とっても残念!あと少し、あと少し頑張っていれば、この昭和レトロブームを追い風に復活できたんじゃないでしょうか。そう思うファンも多いらしく、惜しむ声が聞かれます。またしても東京の文化がひとつ、失われた気がします。またあの生クリームたっぷりのババロア食べたいです!
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明日から、仕事開始です。ああ、お休みも終わっちゃったよ~。
でもまた元気だして、お仕事頑張りマス~♫ また少し更新が遠のいたらごめんなさいね~(^^ゞ
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